第1回信ポケオフ、SMレートS1使用構築「毒殺雨」

サークル員のfujiです。

この記事では、ポケットモンスターサン・ムーン(以下SM)のレーティングS1(途中まで)と、12/17に信州大学ポケモンサークルさんの主催で開催された、第1回信ポケオフで使用した構築を紹介していきたいと思います。

なお、この構築の実績としては、最高レート1900代ののち1850程度で停滞、信ポケオフでも3-2で予選抜けならずとなった程度ですが、今後同系統の構築を組む場合の叩き台としてと、SMで最初に自分が構成を考えて使用した構築として記録しておきたいという理由から記事にしています。

 

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構築の出発点

第7世代が新たに始まり、使用可能ポケモンを見つつどんな構築を使おうか考えていたところ、特性あめふらしポケモンと、すいすいなどの天候有利特性を持ったエースが組む雨パにとって、苦手なナットレイをはじめとする草タイプや、ガルーラ、ファイアローボルトロスといった強力なストッパーが弱体化を受けたり不在だったりと、追い風な環境なのではと感じました。

新たにペリッパーという雨起動要員も加わり、雨エースといえばまず出てくるキングドラが使用可能ということで、世代の変化はプラスの要素が大きいと考え、第7世代の最初はXY時代に少し触って以来の雨パを使ってみようと思いました。

 

ポケモンの個別解説(カッコ内の数値は努力値

ニョロトノ@だっしゅつボタン おだやか あめふらし

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ねっとう/ほろびのうた/アンコール/どくどく

197-x-123-110-137-90

(H252 B220 D36)

 

特性あめふらしによる天候操作と脱出ボタンによるエースキングドラの無償降臨が仕事のメインギミックの片翼を担う一体。

当初は新たにあめふらしを得たペリッパーを新世代の風を感じるために採用していたのですが、4倍弱点の存在やD方面の柔らかさから2回目以降の繰り出しが厳しく、エースのキングドラを最大限活躍させるための運用は難しいと断念。それなりに耐久があり、クッションとしての役割を果たせるニョロトノへの変更となりました。

D方面はコケコの珠エレフィボルチェン(≒アイテム無しエレフィ10万)、テテフのメガネサイキネ耐えの耐久調整を施し、B方面に余りを割り振ったらちょうどマンムー地震を最大乱数を切って2耐えしたのでHBベースの努力値配分となっています。

ねっとうは挑発回避用と火傷狙いでの採用。火傷の弱体化で定数ダメージがあまり見込めないため、ハイドロポンプなどの高威力技もありかもしれません。

滅びの歌、アンコールは起点回避、対ギミック、ラス1での詰めなどの用途での採用です。基本選出にギミックパへの解答を自然に採用できる点は自分の考えにマッチしていて使いやすかったです。

どくどくはアンコールしたあとの相手の引き読みに合わせて打ったり、構築で重めなポリ2に毒を入れて後述のポケモンたちで処理するための技です。

基本的には先発のねこだまし、トンボルチェンのあとに交代で繰り出し、脱出ボタンを発動させてキングドラで有利対面を作るためのクッションとなる役割です。

 

キングドラ@ミズZ ひかえめ すいすい

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ハイドロポンプ/なみのり/れいとうビーム/どくどく

157-x-115-161-116-130

(H52 C252 D4 S196)

 

特性すいすいによる高いS+雨状態での高火力水技で場を制圧する基本選出のエース。

すいすい持ちの中では優秀な種族値、タイプを持っているため現時点では選ばない理由もなく採用。

努力値は火力が欲しいためCぶっぱ、雨下で一舞いじメガマンダ抜きのSを確保し、残りはHとDL対策のDに振り分けています。

ハイドロポンプキングドラがもつ最高火力の水技ということで、命中不安定ながらも採用。ただし、持ち物のミズZにより、1回のみという制約付きですがメガネ以上の火力を必中で繰り出すことができます。ZドロポンはHぶっぱガルドが中乱数と、H振りのみであれば大体のポケモンを倒すことができます。

波乗りは命中安定の水技が欲しいため採用。そこまでの火力は出ませんが、多少削れた相手などに無理にドロポンを打たずに済むのは非常に気が楽になります。

冷凍ビームガブリアスボーマンダなどのドラゴンへの有効打として。上から殴れるので無難に強くて使いやすいです。

どくどく この枠は竜の波動→めざ草→毒の順で変更されていきました。

最初は珠を持っていたこともありガブを確1で倒せ、サザンなどの氷2倍龍、グドラミラーに刺さる竜の波動を採用していましたが、アイテムが珠→ミズZに変更になった際火力不足ということでお役御免に。正直ミラーもS負けの危険性があるためあまりやりたくなかったので、本格的に出番のない技となっていました。

その後意気揚々と雨に出てくる希少種トドンを分からせるためのめざ草を持ちましたが、ポリゴン2がいた時点で選出とプレイングが大幅に縛られるのは弱いと感じ、一度入れれば水技を連打してポリ2に大幅不利は取らなくなるどくどくへ変更。まずトドンとマッチングする機会がほぼない、あっても毒を入れれば何とかなるという判断もありました。

長々と語りましたが、予想していた対面は少なくほとんど出番のない技でした…

使用感については、水技を止めてくるポケモン(レヒレ、アシレーヌトリトドン)、アローラキュウコンがいない相手にはかなり通りのいいアタッカーといった感じでした。

ミズZによって、従来の雨パの弱点だった命中不安をある程度軽減できる点は非常に使いやすかったです。

ただ、水技の通りはよくてもタスキガブやスカーフコケコなどの汎用性の高いポケモンがストッパーとなって立ちふさがる点は、一筋縄ではいかないと感じましたし、レヒレやアシレーヌなどの苦手なポケモンが増加傾向にあったため、開始から時間がたつにつれ選出しづらくなっていってしまいました… 

 

カプ・コケコ@こだわりスカーフ おくびょう エレキメイカー

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10まんボルト/マジカルシャイン/ボルトチェンジ/とんぼがえり

145-121-105-147-96-200

(C252 D4 S252)

 

 水技を半減してくる相手の水タイプへの打点としてや、トンボルチェン→トノ脱出からのグドラ無償降臨の流れをやりたかったのでカプ・コケコを選択。

こだわりスカーフを持たせることにより、ほとんどの相手の上を取ることができるため、雨が切れた後の削れた相手の掃除やグドラの前で悠長に舞ってくるギャラドスなどを叩けるのが強かったです。

初手のコケコミラーで、相手が雨のストッパーになりうるスカーフコケコかどうかを(ある程度、エレフィ+初手の行動で2回S判定のタイミングがあるため)判定できる点も使いやすかったです。耐久無振りであればマジシャで確2がとれるため、終盤のミラーで負けづらいのもコケコを呼ぶ構築にはいいポイントでした。

10万、マジシャ、ボルチェンまでは鉄板の技構成で、ラスト1枠にはとんぼ返りを採用。雨選出の場合、序盤でボルチェンを選択した際に、電気無効に引かれてしまうとトノを後投げするしか選択肢がなくなってしまうのは弱いと感じたため、相手の選出が分からない序盤は電気無効にも通り、襷潰し程度の仕事を果たせるとんぼ返りを使用していました。 

 

テッカグヤ@たべのこし おくびょう ビーストブースト

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かえんほうしゃ/どくどく/みがわり/まもる

195-x-126-128-127-124

(H180 B20 C4 D44 252)

 

最初は毒守ガルドだったのですが、いろいろ構築をいじっているうちに地面無効がいなくなっていて、地面の一貫性が問題だったため、ガルドからテッカグヤに変更。裏選出をする場合のポリ2対策です。

呼ぶポリ2に刺さり、また宿り木の種と違って一回撒いてしまえば交代されても効果が継続する点に魅力を感じどくどくを採用。毒の通らない鋼を焼ける毒守ポケモンは強いということを6世代のドランで学習していたので、攻撃技は火炎放射

残りは毒のダメージを稼ぎ、自分よりSが遅い相手をハメるための身代わり、守るを採用。

努力値はSは毒守ガルドをはめるための極振り、Hが食べ残しで身代わり分が全回復する16n+3調整、D>Bでダウンロード対策、余りでBBでCアップを狙ったものとなっています。BBでS上昇させるにはCの個体値下げないといけないのを使い始めてから知りました…(実際のところ毒守型で殴って相手を倒す場面はほとんどなく、またSが一段階上がっても呼ぶコケコの上を取れないのでイマイチなのでは…といった憶測もありましたが)

使用感としては、やはり宿り木警戒が多く、毒は読まれずに刺さる場面が多かったのですが、宿り木でも毒でも身代わりで対策してくるポケモンは起点にされるのみだったので非常に辛かったです…

また、 呼ぶポリ2に毒を入れるまではいいのですが、相手にコケコ+ポリ2のような選出をされてしまうと、どちらからも弱点を突かれるうえに、エレキフィールドによってC無振りポリ2からも手痛いダメージを与えられてしまう点は、やはり弱点を突かれるポケモンで相手をすべきではないといった印象を受けました。

 

ガルーラ@ガルーラナイト いじっぱり きもったま→おやこあい

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すてみタックル/じしん/いわなだれ/ねこだまし

180-161-100-x-101-142→180-194-120-x-121-152

(A252 D4 S252)

 

6世代最強のポケモンの雄姿を忘れられずに…ではなく、ちゃんとした理由があっての採用です。

採用理由はミミッキュ対策。雨選出の場合、グドラの攻撃を耐久ではなく皮で受け、ほぼ無傷で突破してくるミミッキュは非常に厄介なポケモンなため、あらかじめ肝っ玉猫だましや岩雪崩で化けの皮を剥ぎに行くポケモンです。

ミミッキュ対策という面以外でも、猫だましで削りを入れてからのトノバックの流れは使いやすく、雨選出との相性の良さを使っていて感じました。

努力値ポリゴン2が憎かったのでDL対策のD4振り。あまりやりたくないですがどうにもならない場合はすてみ→雪崩怯み→すてみでHBポリ2突破の可能性を秘めています。

技構成はメインウェポンの捨て身タックル、広範囲に効果のある地震、ミミッキュの皮を剝ぎつつ5割の確率で行動させなかったり、毒の入ったポリゴン2を猫だまし→岩雪崩で怯ませて突破を狙えたりする岩雪崩、打点の足しになったりS負けしている相手を削りに行く技のねこだましとなりました。

親子愛の弱体化は大きく、1.5倍なら倒せていた相手が猫捨て身で持っていけないという場面も多かったですが、それ以上に優秀な耐久種族値と追加効果2回のズルは健在で、7世代のガルーラをなめた選出をしてくる相手を数多く葬り去ってくれました。

岩雪崩は猫捨て身ではダメージが足りない相手に打って、5割で無償突破を狙える使い勝手のいい技でしたが、採用理由がイマイチ曖昧なので、変更の余地があるかも知れません。

裏にミミッキュがいると予想される場合は、初手でメガシンカせずに猫だましを打つことで、後発で出てきたミミッキュの化けの皮を剥ぐことができるので、メガシンカしない選択肢も選ぶ場合がありました。 

 

 

ガブリアスきあいのタスキ ようき さめはだ

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げきりん/じしん/どくづき/つるぎのまい

183-182-116-x-105-169

(A252 B4 S252)

 

地面無効枠兼積んだ相手のストッパーとして、襷ガブを採用。

ギャラ、マンダその他に等倍を取れる逆鱗とコケコ、ガルドその他に弱点をつけ、非常に広い範囲を等倍で殴れる地震は確定。剣の舞は今までの5体だと突破が厳しい耐久ポケ相手に、積んだ高火力での突破を目指す技として採用。どくづきは雨相手によく選出されるカプ・ブルルに対するピンポ気味の技でした。この枠は岩石封じなどでも良さそうです。

ありきたりな技構成で使って無難に強いのはさすがといったところ。

 

 

選出

大きく分けると雨が刺さっていると感じた相手への表選出と、そうでない相手への裏選出の2通りがありました。

 

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水の通りがいい相手の時の表選出。

初手のコケコのトンボルチェンかガルーラのねこだましで多少削りを入れ、トノバックからキングドラにつないで暴れてもらいます。

雨が切れた場合やグドラが倒されてしまった場合は、掃除役としての性能もある初手のポケモンに何とかしてもらいます。

また、ガルトノグドラ選出はナインエボルブーストや壁からのZテクスチャーなどのギミックパ相手にも選出していました。だいたい初手に脱出ボタン持ちのクレッフィが来ていたので、猫だましで一回退場させ、猶予を作りつつ立ち回ったり、イーブイ、ポリZにトノを合わせて滅びの歌を警戒させ、脱出してグドラのZドロポンで吹き飛ばすといった動きをしていました。

キングドラの個別解説でも書きましたが、キツい相手が増えてきて信ポケオフやその付近のレーティングではあまりこちらの選出はできませんでした…

 

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水の通りが悪いときや、ミミッキュやアロキュウなど雨の障壁となるポケモンが相手に2匹以上見えたときはこちらの裏選出を使っていました。

単体性能が高い前2体と、それらのポケモンが苦戦することの多いポリゴン2などを相手するテッカグヤといった選出です。

上の3体は相手の電気を重く見たときや地面技の通りがいいとき、下の3体はメガマンダ、メガギャラを重く見たときの選出です。

使いやすいポケモンが揃っているため相手できる範囲は広いのですが、テッカグヤに身代わり持ちの積みポケを合わせられると非常に苦しくなるなどの欠点もありました。

 

結果・総評 

12/17 第1回信ポケオフ(24人規模) 予選3-2(3位、予選落ち)

シングルレートS1 途中1900?

 

オフでは予選抜けまであと一歩というところで勝ちきれず、レートでも自分で構築が通用したといえる一区切りと思っている2000まですこし届かないという、あまりいいとは言えない結果となってしまいました。

信ポケオフでは、予選の5戦中一回も雨選出をしなかったり、レートでも環境が進むにつれ雨を出せる相手が減ってきてしまったりと、基本選出が刺さっていないという大きな問題を抱えてしまった構築だったと思いました。

構築単位で厳しいポケモンが数体いて、それらに当たった場合かなり厳しい戦いを強いられるのも改善点として挙げられます。

具体的には、裏選出時にカグヤの前で貼られてしまうと詰みまでありえる身代わり持ちのメガマンダ、ガルーラ以外の5体との対面だとほぼ1体持っていかれてしまうアシレーヌ(ガルーラも猫を消費した後だと雪崩で怯ませないと返しのわだつみで倒されてしまう)などです。

また、ハピナスやドヒドイデなどを採用して、徹底的に受けまわしてくる相手に対しては、受けを崩せるガブリアスが刺さらない場合はとても苦戦させられるところも問題でした。

それらの欠点が目についてしまったため、信ポケオフの1週間後の第2回新大オフではPTコンセプトからの変更を加え、コチラ(準備中)の構築を使用しました。

 

ちなみに構築名はPT内にどくどくを採用したポケモンが3体存在するところからもってきましたが、毒がメインギミックというわけでもないのでタイトル詐欺かもしれません;

 

冒頭でも触れましたが、いわゆる雨パを使用したのはXYの時に少しだけ触って以来で相当久しぶりでした。

素早さと火力の両立は第7世代でも非常に魅力的で、なおかつZ技の必中は今までの雨パに付きまとっていた命中不安を解消する大きなプラス要素でした。

雨パの可能性はこの構築で感じることができたので、S1も残り少ないですが、厳しいポケモンへの有効打を探しつつ変更を加えていって、しっくりくる構築を製作してみたいと思っています。

 

最後まで読んでいただいてありがとうございました。

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